桑都(そうと)とは八王子の美称とされています。
かの西行法師が、鎌倉時代の1140年代に八王子付近を通った時、「浅川を渡れば 富士の雪白く 桑の都に青嵐吹く」と詠んだことが名の起こりと言われます。
この地で育てられた桑とは?八王子の街とともに紹介します。
桑都八王子と絹織物
かつて、山が多く耕作地の乏しい農村の重要な仕事であった養蚕や機織り。八王子市も古くから養蚕や織物の街として知られてきました。 江戸時代には「縞市」と呼ばれる織物市が開かれるようになり、豪農から転身した商人によって江戸の街との取引が盛んになっていきました。 そして鎖国が解かれて横浜港が開港すると、国産の良質な生糸は人気の輸出品に。八王子には多摩や信州で生産された生糸が集められ、港へ、さらには海を渡っていったのです。桑ってどんな植物?
雌雄異株の植物で、1本では実がつきません。雌は桑の実がなりますが、雄は実がならないため、葉に栄養がたくさん含まれます。 桑は葉、実、根、木材のすべてを使うことができます。桑の実は、糖度が高くアントシアニンを多量に含み、ジャムやお酒の材料になります。 根は表皮を乾燥させると漢方薬(桑根白皮)になり、消炎、利尿、血圧降下などに効果があるといわれます。木材は硬くて強く、琵琶などの弦楽器に使われます。八王子産の桑・『創輝』はここがスゴイ!
55年の品種改良を経て完成した食用桑
八王子産の桑『創輝』は55年の歳月をかけて食品用桑葉品種として品種改良された、初めてのクワ品種(2008年農林水産省に新品種として登録)です。 八王子市内の6軒の契約農家が農薬不使用の有機栽培で約9000本の桑の木を育てています。八王子の農家さんが大切に育てた『創輝』の桑
『創輝』の葉の大きさは従来種の約1.5倍、直径約30センチまで育ち、色も濃く鮮やかな緑色をしています。毎年、7~8月の収穫時には1枚1枚、丁寧に手摘みをします。
こうして大切に育てられた桑『創輝の』味はうま味とほのかな甘みがあります。