桑品種「創輝」のこだわり
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桑品種「創輝」とは
桑の新品種「創輝」はこうして生まれました
信州大学教授であった「押金健吾博士」が染色体の研究を始めた当時、
戦後の国家再興に向け養蚕奨励により、教授も桑の葉に注目し研究を行っていました。
その後、海外から安い生糸が輸入され、国内養蚕としての桑葉の需要も減少した事から、
教授は食用利用を前提とした桑の開発を行いました。
そして桑の独特の匂いや苦みのないまろやかで美味しく、かつ栄養価も高い
新しい桑品種が誕生しました。これが「創輝」です。
実に55年かけて開発された「創輝」は2008年に農林水産省に新品種として
登録(登録番号:第16963号)されました。
「創輝」の特徴
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1.
在来品種に比べて約1.5倍の大きな葉従来の品種に比べ、約1.5倍と大きく、厚みがあり、鮮やかな緑色をしています。
栽培期間中、葉は大きく約30cmまで成長し、特徴のある葉形をしています。
植えて1年目で葉が収穫可能であり、従来の品種より収量が多いのも特徴です。
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2.
おいしくて栄養たっぷり創輝は食用に開発されたため、桑の葉独特の匂いや苦み、えぐみがなく、
まろやかでおいしく、大変飲みやすいです。
その茶葉は、緑茶のような深い緑色で、パウダーにして食品に用いると、
鮮やかな緑色となります。ふんわりと桑の香りが漂います。
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3.
農薬を使用せず、有機栽培。こだわりの加工製法。化学農薬は使用せず、地域循環型農業をめざし、八王子市内で排出される馬糞や鶏糞、米ぬかなどを肥料として用いています。
また、収穫してから新鮮な状態で工場へ送られ、きれいに洗浄してから加工するなど栽培、加工製法にこだわっています。
栄養バランスにすぐれている創輝
女性が不足しがちな鉄分は、ほうれん草の約17倍、
腸内をきれいにしたり便通を良くする働きがある食物繊維が、しめじの10倍含まれています。
また、健康な骨や歯を作るために必要なカルシウムや、体の調子を整え、疲労回復したり、
他の栄養素をからだに吸収する手助けをするビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンCも多く含まれています。
毎日の食生活で摂取したい栄養分が満載の「創輝」であなたの健康をサポートします。
ダイエットなどに最適な「創輝」の栄養成分
おいしいだけでなく、ミネラル等の栄養素も豊富です。
桑の葉の特有成分が在来品種と比べ多く含まれています。桑の葉の特有成分は食後の血糖値の上昇を抑制する働きがあります。
「創輝」は雄の木で実がなりません。花性は「雄花穂」のみで、雌花は全く着生しないため実に栄養を取られることがなく、もっぱら葉の栄養成長に費やすことができる利点があります。
桑豆知識
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桑とは
クワ科クワ属クワ 同じ仲間にイチジク・コウゾ・ゴムの木等多数あり、学名は Morus alba Linne。
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桑の文字の由来
「クワ」は「クハ」と書き、蚕が食うから「クハ」の説、 クフハ(食葉)が転じて「クハ」の説、蚕を飼う葉から「クハ」(飼葉)の説等、 様々な由来があります。
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桑の種類
国内品種1300~1500品種で栽培桑の原種はヤマグワ(日本の在来種)、カラヤマグワ(中国、韓国に自生)、ログワ(中国)の3種がある。
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桑の歴史
中国の「神農本草経」や栄西禅師の「喫茶養生記」にも桑葉について記され、茶の代わりに飲むことを勧めている。 これらはいずれも4月の若葉と9月の落葉期の葉を日陰干しにし、それらを混ぜて桑茶として飲用すれば、健康維持に良いと書かれている。
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桑の寿命
桑は生命力が極めて旺盛な植物の種類に属する。
日本:群馬県沼田市薄根の大桑の樹齢1500年
中国:チベット高原の盲桑林は樹齢1400年~1650年 -
桑の効能と利用
葉:特有成分が多く含まれるミネラルなどの体に必要な栄養素が豊富で、お茶、健康食品、 食品に利用される。
実:糖度が高く、アントシアニンを多く含みジャムやお酒、ワインに利用される。
根:若葉の根の表皮を乾燥して「桑根白皮」に利用される。
木材:工芸品や衣類、紙等に利用される。
こだわりの栽培方法
東京都八王子市は、もともと養蚕業が盛んで、あたり一面桑の木が栽培されていました。桑の葉は、蚕の餌となるため、農薬を使わず栽培されており、肥沃な土壌と合わせ八王子市は桑の木を育てるのに適した地域でした。
「創輝」は手入れ方法・施肥方法等徹底した品質管理のもとに育てられます。冬に枝を切った桑の木は、春になると芽を吹いて夏には栄養分たっぷりの桑の葉にすくすくと育ちます。
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農薬は使用せず、防虫にはニーム(大興貿易)を使用します。
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地域環境型農業を目指すため
八王子市内で排出される馬糞や鶏糞、米ぬかなどを用います。 -
丁寧に手摘みをしているので
葉を傷つけることなく、新鮮さも保たれます。 -
その日のうちに工場へ冷蔵車で運ばれます。酸化を防止し、
新鮮な状態で加工します。 -
安心して飲んでいただけるよう、すべての桑の葉を洗浄します。
東京都八王子市に広がる「創輝の桑園」
12ヵ所の農地約20,000㎡におよそ
12,000本の創輝が植樹
現在、東京都八王子市内に6軒の農家(契約農家)さんが創輝の栽培を行っています。栽培管理は各農家さんが行っていますが、収穫など人手が必要な時は地元農業ボランティア団体や学生有志などが作業を手伝っています。
大学の畑で栽培ができなくなった際に、無償で土地を提供してくださった谷津さんをはじめ、農家さんとの厚い信頼関係によって栽培を行っています。
収穫の様子
桑の葉は、7月から収穫が始まります。8月の初めまで約1か月が収穫の時期です。「創輝」は葉が厚く大きいため、葉脈も太くなります。加工には不適な葉柄(ようへい)の部分を残して葉のみ1枚1枚丁寧に収穫します。収穫は、早い農家さんは朝5時から収穫し、その日に加工工場に運ばれ、お茶と同じ製法で加工されます。あら茶に加工されたあと、抹茶と同じようにパウダー化されます。※加工の前に、必ず洗浄しております。
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夏の暑い中、桑の葉の収穫がはじまりました。 1枚1枚人の手で丁寧に収穫します。
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桑も野菜と同じで朝6時から収穫します。
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創輝の葉は従来の品種に比べて約1.5倍、およそ30cmと大きく厚みがあるのが特徴。
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葉柄(ようへい)の部分はかたいため、切り落とします。
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休憩中には冷たい創輝王を飲んで栄養補給と熱中症予防。
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午前中には収穫が完了し、冷蔵車で新鮮なままその日のうちに工場に搬送されます。
創輝はたくさんのこだわりと手間ひまをかけ、栽培・収穫・加工されて商品となり、
みなさまの元へと届けられています。
桑豆知識
桑の木は二酸化炭素を
削減するため環境に優しい!
桑は神秘的な植物です。桑はCO2を大量に吸収し、酸素を大量に生み出します。国民1人あたり1本の桑の木を植えると年間38万トンものCO2削減になります。「創輝」は、100人程度の人間が排出するCO2削減に寄与しているだけですが、桑の木はCO2削減に最適の植物です。
桑の木は1本あたり3kgのCO2を吸収し、1kgの酸素を放出するという研究結果があります。
※林野庁HPおよび日本マルベリークラブ代表理事原三郎氏研究データより
地域への取り組み
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桑都(そうと)八王子
東京都八王子市は、「桑の都・桑都(そうと)八王子」と呼ばれています。
その由縁は、西行法師の詠んだ詩が始めと言われていますが、日本全国で養蚕が盛んになり八王子が絹糸の生産・流通の拠点となった時に「桑の都」と呼ばれるようになったと言われています。
現在も絹糸を運んだと言われる「絹の道」が残っている他、駅前から国道20号バイパスに至る道には、「桑並木」が見られ、JR八王子駅舎の改修により作られたバスの連絡橋は、「マルベリーブリッジ」と名付けられ、その下にはシダレグワやヤマグワなどが植えられ「桑」との関係が深い市です。
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桑都の復活をめざして
八王子市は養蚕業や絹織物産業が隆盛の時、桑都と呼ばれ絹糸取引の中心地でしたが、 時代の流れで衰退し、現在はほとんど桑畑は見られません。
そこで、食用としての桑「創輝」を活かし、八王子市の各農家の休耕田や休耕畑、 丘陵地を活用して農業の活性化と桑都の復活を目指しています。
また、農家の人員不足を補うため、農業をサポートするNPO法人や八王子ワークセンター(作業所)と連携して、組織的な活動の輪が広がっています。
「創輝」の原料を確保して、八王子市商工会員との特産品の創出や大学コンソーシアム八王子に所属する各大学とのイベントを実施したりするなど、
八王子市役所の創輝事業の認定や国の農商工等連携事業の認定(平成20年)、八王子産学公連携事業の認定等により地域産業活性化の活動を進めています。